top of page

耐震だけでは家と命は守れない?建物の揺れが50%以上減少する制震装置「GVA」

2000年(平成12年)建築基準法改正内容​

●木造住宅において

 1)地耐力に応じて基礎を特定。地盤調査が事実上義務化

  改正の要点
  ・地耐力に応じた基礎構造が規定され、地耐力の調査が

   事実上義務化となる。
  ・地耐力20kN未満・・・基礎杭
    20~30kN・・・基礎杭またはベタ基礎
    30kN以上・・・布基礎も可能
 2)構造材とその場所に応じて継手・仕口の仕様を特定。
  改正の要点
  ・筋かいの端部と耐力壁の脇の柱頭・柱脚の仕様が明確

   になる。
  ・壁倍率の高い壁の端部や出隅などの柱脚ではホールダ

   ウン金物が必須になる。

 3)耐力壁の配置にバランス計算が必要となる。
  改正の要点
  ・壁配置の簡易計算(四分割法、壁量充足率・壁率比)、

   もしくは、偏心率の計算が必要となる。
  ・仕様規定に沿って設計する場合壁配置の簡易計算をする。

 私たちが住むこの地域に、大地震が今後30年以内に起ると言われています。建物とその住人を地震の被害から守るために「免震」・「制震」・「耐震」の3つの考え方があります。「免震」は非常に高価な装置を必要とするので、マンションなどの区分所有者みんなでその費用を分け合うのが一般的です。費用の面で一般的な木造住宅への採用は難しいと思われます。そして、「重い建物」つまりRC造等に有効とされています。
 「耐震」については阪神淡路大震災後、2000年(平成12年)の建築基準法改正により、木造住宅の耐震化が一気に進み、耐震等級という考え方が定着していきました。近年の木造住宅は耐震化により強固になりましたが、2009年10月27日に兵庫耐震工学センター(E-ディフェンス)で行なわれた実物大地震実験の結果により、現行法に疑問符が付きましたが、ほとんどメディアにも取り上げられることなく、大きな問題にはされませんでした。(実験の様子は動画内にあります)この倒壊は、基礎から土台が引き抜けたことにより起こりました。原因は​堅くなりすぎた現在の木造住宅にあります。木造建築は本来、地震の揺れを柳のようにいなすことで倒壊を免れてきましたが、それが出来なくなりました。その結果、土台に地震力が集中し、基礎から土台が引き抜けてしまいました。
​ 「制震」は耐震化して堅くなった家のいなす力を補い、建物の揺れを最大70%程度減少させ、その効果は繰り返し発生する大きな余震からも住まいと家族の命を守ってくれます。費用も数十万円と手の届く範囲です。

土台へのこだわり

 阪神淡路大震災以降の木造住宅は、建築基準法改正により非常に硬く堅固になりました。その反面、揺れて地震の力をいなすことが出来なくなりました。その結果、上の動画のように地震の力は土台に集中します。古い基準で建てたものと新しい基準で建てたものとの実寸台比較地震実験の結果、倒れるのは新しい基準で建てた地震に強くなったはずの家です。なんと、基礎から土台が引抜けて倒れてしまいました。
 この実験結果から当社の土台は、通常の3.5寸角(10.5cm角)で はなく、より太い4寸角(12センチ角)を使用しています。これにより土台の体積は25%増加します。基礎から土台を引抜こうとする力に負けないようにするためです。材質はシロアリ被害に強い芯持ちのヒノキを使用しています。土台を太くすることは、シロアリ被害への対策としても有効です。
画像をクリックすると拡大します

基礎へのこだわり

高基礎の配筋例です。

高基礎の配筋例です。

縦筋のフックです。

縦筋のフックです。

ピッチの確認をしています。

20センチ間隔で四角に組みます。

20センチ間隔で四角に組みます。

立上り部分の鉄筋です。

立上り部分の鉄筋です。

縦の鉄筋はD13で上部がフックになっています。

フックは少し傾けます。

フックは少し傾けます。

かぶり厚さの基準をクリアするためです。

傾きを上から見ると。

傾きを上から見ると。

かぶり厚さの基準をクリアするためです。

ピンコロ石です。

ピンコロ石です。

底盤部のかぶり厚さ6センチを確保するために等間隔に並べて鉄筋が乗ります。

ハンチ配筋です。

ハンチ配筋です。

基礎の角を補強するために入れます。

人通口の鉄筋です。

人通口の鉄筋です。

メンテナンスのときに人が通るからこの呼び名です。

綺麗に並んでいます。

綺麗に並んでいます。

防湿シートです。

防湿シートです。

土からの水分をシャットアウトします。

 基礎の鉄筋にもこだわりがあります。全ての鉄筋にD13(13㎜)を使用しています。
 木造建築の基準として公にされているもので通称「公庫基準」というものがあります。この中で、基礎の鉄筋の太さについて書いてあり、縦の配筋と低盤部そして補強筋についてはD10(10㎜)を使用すればよいとあります。ですが、これは「最低限」の基準を示しているだけなのです。この基準が最高ですよとはいっていません。全てに「〇〇以上」とあります。縦の鉄筋の上部にフックをつけることも書いていませんが、つけた方が基礎は頑丈になります。
 基礎の地面からの高さと立上りの幅にもこだわりがあり、公庫基準では高さ40cm以上幅12cm以上ですが、当社は高さは50cmで幅15cmとしています。高さは床と地面との距離が離れ、湿気がこなくなりますし、メンテナンスで床下にもぐる際に作業がしやすくなります。もしもの床下での漏水や集中豪雨による床上浸水にも配慮しています。幅が大きいのは頑丈になるのはもちろんですが、先にも書いた通り、土台に4寸角(12cm)を使用しているので同じ幅だと乗せにくくなります。そして鉄筋を太いものを使ったり、フックをつけたりすると、基礎の外側と鉄筋との距離「かぶり厚さ」の基準をクリアするためにも、15cmとしています。

夏の暑さ対策へのこだわり「屋根遮熱」

画像をクリックすると拡大します
 年々夏の暑さがひどくなっているこの日本ですが、やはり温暖化しているのか、コンクリートとアスファルトのせいなのか、とにかく暑すぎます。最高気温も更新され続けています。
 そこで、家の暑さ対策として「遮熱」という考え方があります。これはその名の通り熱をさえぎることで、太陽からの熱の進入をシャットアウトしてしまおうというのです。吉田兼好が徒然草で「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。」と書いているように、鎌倉時代から日本の家造りは夏に主眼を置いて、風通しの良い家を造っていました。
 ですが、冬は厚着をして気合で乗り切ろうというのでは辛すぎます。その対策として家を「断熱」しようとの考えが生まれました。断熱は寒さ対策としては非常に有効ですが、屋根の暑さ対策として使うと、安い物だと嵩張りますし、薄くすると高価な材料で高価な工事代が必要になります。
 当社の使う遮熱材は、表面がアルミ箔のようになっており、太陽で熱せられた屋根材からの輻射熱の侵入を防ぎ、小屋裏空間への表面温度を約14℃減少させ、2階の室内温度を2~3℃下げる効果が期待できます。これにより2階の夏の暑さと寝苦しさを緩和します。

気密対策へのこだわり

気密コンセントボックス

気密コンセントボックス

コンセントボックスから壁内に湿気が侵入するのを防ぎます。

配管貫通箇所の防水気密処理

配管貫通箇所の防水気密処理

外壁の下地合板を配管が貫通する箇所はシーリングで処理します。

配管貫通箇所の防水気密処理

配管貫通箇所の防水気密処理

ベランダの水道管貫通箇所の防水気密処理です。

浴室下の人通口気密処理

浴室下の人通口気密処理

点検の為の人通口を断熱材で塞ぎ、隙間に発泡ウレタンを吹き付けます。

基礎と土台の隙間

基礎と土台の隙間

基礎パッキン工法により出来た浴室周りの隙間を発泡ウレタンで塞ぎます。

床下点検口からの

床下点検口からの

浴室下の人通口を裏から見た様子です。

ホールダウン金物の隙間

ホールダウン金物の隙間

HD金物は土台を貫通するのでここから床下の湿った空気が侵入します。

隙間の気密処理

隙間の気密処理

HD金物と土台の隙間をシーリングで塞ぎます。

土台と床下地

土台と床下地

土台に柱が刺さる部分は床下地を欠きますが、隙間をつくらない様に必要最小限で抑えます。

床下収納庫気密タイプ

床下収納庫気密タイプ

通常の床下収納庫では蓋の隙間から床下の空気が侵入してきていました。

気密蓋

気密蓋

床下収納庫気密タイプの蓋は分厚く、開けるときに気圧による圧力を感じます。

気流止め

気流止め

天井裏からの空気が内壁内に入ると室内の寒暖に影響を与えるので、気流止めにより流入を防ぎます。

気流止め

気流止め

拡大するとこんな感じです。

気流止め

気流止め

天井下地の石膏ボードを貼るとこんな感じになります。

床と断熱と気密

床と断熱と気密

気密層は床下地の上に出し、床材を被せると断熱材への湿気の流入を防ぐとことが出来ます。

小屋裏断熱材

小屋裏断熱材

小屋裏の断熱材を直行するように隙間無く2重に敷きます。こうすると気密を確保するのと共に次世代省エネ基準の2倍の断熱性があります。

換気用配管部分の気密処理

換気用配管部分の気密処理

断熱材を貫通する配管との隙間から、断熱材の中に湿気が入るのを防ぐために木材で配管周りを囲います。

画像をクリックすると拡大します
 昔の家は隙間風だらけで前述のように、夏は涼しく、冬は寒かったのが当たり前でした。ですが、現在建てられている住宅は望まなくとも、かなり気密性が高くなっているといわれています。最近の新築住宅は、窓にアルミサッシを使い、室内側の仕上げがビニールクロスで、床は土台と下地材が直接止めつけている剛床工法が当たり前となっています。これだけで次世代省エネルギー基準で定められた相当隙 間面積5.0~5.5cm2/m2程度の気密性能を持っていることが最近の調査で分かっています。
 一般的に「高気密」といわれる住宅の相当隙間面積は2.0cm2/m2以下といったところです。この「高気密」については建築家のなかでも意見が分かれています。日本の住環境には適さないという人もいます。もともと高気密はとても寒い地域の住宅に求められていたことです。それなら大阪の住宅にはあまり必要が無いと思うかもしれませんが、冬場に隙間風がない家とある家どちらが暖かく快適かで考えてみて下さい。隙間風のない暖かい家=「高気密・高断熱」となるわけです。冬は空気が乾燥しています。暖房器具が化石燃料からエアコンに変化したことにより、室内は過乾燥となり、加湿器が必要となりました。「気密」が確保されていないと室内の湿気が外周壁の中に侵入し、壁の中で内部結露が 発生します。そうすると木材が腐り、建物の構造に重大な欠陥が生じてしまいます。
「気密」にはもう1つ目的があります。それは換気経路を計画し易くするためです。現在の住宅にはシックハウス対策として、居室部分の換気が義務付けられています。隙間だらけの住宅だと設計通りの換気が出来ません。以上のことを考慮するから「気密」を徹底する必要があるのです。 
 
bottom of page